不登校対応の努力で失うもの
たまに朝、小学校の前を通ると校門近くで親子が「行きなさい」「行かない」の押し問答をしている光景に出会ったりしないでしょうか。もしかしたら、ご自身にそうした経験がおありかもしれませんが。
多くの親子の話を聴いてきますと、子どもが完全な在宅型不登校になる前に、いくつかの段階を経ているパターンが多くみられます。
まず親が学校まで連れていきます。車が使えれば車で(なぜなら乗せるところまでいけば学校の校門までは行けるからです)。次に先ほど触れた校門前の押し問答。だいたい担任も出てきます。校長まで出てくることも。
そうした毎日に親が限界を感じると、「保健室登校」「校長室登校」「教育支援センター(旧適応指導教室)」「支援級」といった選択肢が出てきます。
しかし、そもそも「家にいたい!どこにも通いたくない!」と徹底抗戦されますと、今の時代はぶん殴って教室内に連れて行く親はあまりいませんので、学校とその周辺のところへ連れていくことは諦めます。すると「フリースクール探し」が始まることがよくあります。
ところが、フリースクールに通う不登校の子どもは、全体の1割もいません。フリースクールに通うタイプは少数派です。
「フリースクールに通わせることも無理だ」となって、ようやく親は「どこかに通わせること」を諦め始めます。
さて。この時点で子どもは「親に無理やり学校に連れて行かれた」「親に無理やり学校っぽいところに連れていかれた」「親にフリースクールを強く勧められた」といったような記憶が定着しています。
これら3段階は、「どのみちどこにも通わないない運命だった小中学生」だとしたら、「かなりネガティブな作用」を及ぼしているわけです。
「まず学校、次に学校っぽいところ、次にフリースクール」のように「なんとか、ここらへんで引っかかってくれたら」をやり続け、諦めの果てに在宅型不登校を受け入れる場合と、かなり早い段階期から在宅型不登校を受け入れた場合とで最も大きな差がつくのは「親子の信用関係」です。
たしかに、どこかでその子の居場所が見つかれば「最初は無理やり学校に連れて行こうとしていたけど、自分の居場所を探すために奔走してくれ、今がある。感謝している」ということになるかもしれません。フリースクールではよくあることです。
しかし、親の提案のおよそ全てが不発だった場合、その子がそれまでを振り返って親のことをどう思っているかは、さてどうでしょう。
私はずっと不発で信用が落ちていたとして、そういう家庭も多いですから、それ自体がどうこうとは思いません。ただ。「在宅のあとも、あれやこれやと子どもにやらせようとし続けてこじらせること」は、できたらしない方がいいと思います。
よくあるのは「在宅でもできる学習教材」です。私の見聞きした経験では、1年継続率はかなり低めです。本人でなく親がやらせたい場合、もちろん動機が維持されにくいからです。
親子の信用関係まで失ってまで手に入れるべきものは、そんなにないのではないかと。
多くの親子の話を聴いてきますと、子どもが完全な在宅型不登校になる前に、いくつかの段階を経ているパターンが多くみられます。
まず親が学校まで連れていきます。車が使えれば車で(なぜなら乗せるところまでいけば学校の校門までは行けるからです)。次に先ほど触れた校門前の押し問答。だいたい担任も出てきます。校長まで出てくることも。
そうした毎日に親が限界を感じると、「保健室登校」「校長室登校」「教育支援センター(旧適応指導教室)」「支援級」といった選択肢が出てきます。
しかし、そもそも「家にいたい!どこにも通いたくない!」と徹底抗戦されますと、今の時代はぶん殴って教室内に連れて行く親はあまりいませんので、学校とその周辺のところへ連れていくことは諦めます。すると「フリースクール探し」が始まることがよくあります。
ところが、フリースクールに通う不登校の子どもは、全体の1割もいません。フリースクールに通うタイプは少数派です。
「フリースクールに通わせることも無理だ」となって、ようやく親は「どこかに通わせること」を諦め始めます。
さて。この時点で子どもは「親に無理やり学校に連れて行かれた」「親に無理やり学校っぽいところに連れていかれた」「親にフリースクールを強く勧められた」といったような記憶が定着しています。
これら3段階は、「どのみちどこにも通わないない運命だった小中学生」だとしたら、「かなりネガティブな作用」を及ぼしているわけです。
「まず学校、次に学校っぽいところ、次にフリースクール」のように「なんとか、ここらへんで引っかかってくれたら」をやり続け、諦めの果てに在宅型不登校を受け入れる場合と、かなり早い段階期から在宅型不登校を受け入れた場合とで最も大きな差がつくのは「親子の信用関係」です。
たしかに、どこかでその子の居場所が見つかれば「最初は無理やり学校に連れて行こうとしていたけど、自分の居場所を探すために奔走してくれ、今がある。感謝している」ということになるかもしれません。フリースクールではよくあることです。
しかし、親の提案のおよそ全てが不発だった場合、その子がそれまでを振り返って親のことをどう思っているかは、さてどうでしょう。
私はずっと不発で信用が落ちていたとして、そういう家庭も多いですから、それ自体がどうこうとは思いません。ただ。「在宅のあとも、あれやこれやと子どもにやらせようとし続けてこじらせること」は、できたらしない方がいいと思います。
よくあるのは「在宅でもできる学習教材」です。私の見聞きした経験では、1年継続率はかなり低めです。本人でなく親がやらせたい場合、もちろん動機が維持されにくいからです。
親子の信用関係まで失ってまで手に入れるべきものは、そんなにないのではないかと。