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ブログ『誤解だらけの不登校対応』

「お金のことは今から考えるべき」 その3

つぎは、就労する場合について考えてみましょう。


「在宅型不登校」と言っても、私のサポート経験から言えば8~9割の人は就労します。「就労できないこと」自体が問題というよりも、「非正規労働が多いこと」や「離職率が高い職業分野が多く、長く勤め続けられない」という問題のほうが大きいと思います。ぶっちゃけ「正社員を長く続ける人が少ない」のです。


もっとも多い就労形態は「アルバイト」です。「コンビニ」「スーパー」「ファストフード」」「物流倉庫」「ポスティング」など、「学歴不問・資格不問」で、フルタイムではないパートタイム就労が多い傾向です。その多くは「実家暮らし」です。実家暮らしで家賃や水光熱費がかからないために、フルタイムの人はかなり少なめです。


「うちの子は働くことができるだろうか」という考え方だと、アルバイトができるようになり、定着するだけで親は安心します。子どもも、20代前半くらいですと、学生よりも収入が多く、小遣いとして月に5万円以上使えれば、若い一人暮らしの正社員よりも小遣いが多い状態ですから、就労を恐れていたころより自信がついています。


ただ、30代くらいになりますと、上司である社員が年下であったり、総体的に同世代と比べて収入が低いことが気になりはじめるかもしれません。20代のアルバイトの成功でいったん安心するも、30代で再び進路不安がやってくる、ということがあるかもしれないのです。


早くからお金について考えるとき、3番目に考えるべきは「働けるだろうか」ではなく、「正社員になることへの不安を軽減すること」だと思います。


誰にでも正社員を勧めるわけではありません。正社員のほうが上で非正規が下だと言いたいわけでもありません。ただ、生涯収入を考えたとき、1億から2億万円くらい差がついてしまうことについて、少し考えておいてもいいのではないか、と思うのです。
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