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ブログ『誤解だらけの不登校対応』

高認と通信制高校の「合わせ技」


 今回は「合わせ技」のお話です。


 高認の資格を得るには、8または9科目の全てに合格しなくてはなりません。国語や社会は比較的合格しやすいのですが、鬼門は「数学」と「英語」です。数学は小学校6年・中学校3年・高校1年の合計10年の積み重ねが必要で、英語は4年です。


 私たちのサポート経験では、一回の受験で全科目合格する人も多いのですが、数学だけが不合格だったということもよくありました。


 しかし、高認の数学は、他の科目に比べて合格しにくい反面、毎回の出題傾向が似通っています。たとえば1回目の受験で数学だけ不合格だった場合、過去問を重点的に取り組んで次回の合格を目指すと良いでしょう。


 もし、それでも数学が合格できなかった場合(他の科目も同じです)は、「合格できない科目だけ通信制高校で単位を取ること」をお勧めします。通信制高校の中には「1単位いくら」で授業料を設定している学校があります。そこで「単位修得証明書」を発行してもらい、すでに高認で合格した科目の「科目合格証明書」といっしょに「合格の申請」をします。合格証明書が送られてくれば、大学等の受験資格となります。


 ただし、注意しなくてはならないのは、「科目名」と「単位数」です。たとえば高認の数学が免除されるには「数学Ⅰ」で、例外(数学科・理数科などでは2単位のケースがある)を除いて「3単位」が必要です。たとえば「数学A」の場合、20年以上前に高校で単位をとった人以外は免除になりません。必ず、高認の「単位修得証明書 ・ 単位修得見込証明書」内にある表を確認しましょう。


 この逆のパターンで、「高校卒業に必要な科目を、高認の科目合格で免除してもらう」というやり方もあります。たとえば、ある通信制高校は、一定の単位数までは高認の合格科目を高認で振り替えることができる制度を持っていたとします。高認で合格した科目合格で通信制高校の科目を免除してもらえば、レポートやメディア視聴記録等の提出や、テスト・スクーリング等が免除される可能性があります。


 たとえば、通信制高校に入学したその年に高認も受験したとします。もし全科目合格してしまえば、高校を1年で中退し、2年待って大学等へ進学するという手があります。

 
 なお、高校を卒業するには最低74単位必要なので、高認で7科目合格し、その分を振り替えてもらったとしても、単位数は20数単位程度にしかなりません。7単位も合格しているのであれば、残り1科目分の単位をとって高認のほうで資格を取った方がいいでしょう。

 
 最後に、こんな人たちがいました。その人たちは、中学時代不登校で、高校に進学しないまま卒業しました。進学したいと思ったときには遅かったのです。そんなとき、高認を知り、受けてみました。すると1回目の受験で全科目合格したのです。16歳で高認全科目合格を果たしたのですが、日本の制度ですと、18歳の高3年齢の3月を過ぎるまで大学等には進学できません。そのため、そのような人たちは18歳まで「学校の勉強以外のこと」をやったり、ぎゃくに「受験勉強に専念したり」しました。


 今は就学支援金の制度がありますが、学費の安い通信制高校でも入学金・設備費・スクーリング費用などがかかります。いっぽう、高認だと1回で全科目受かれば、受験料は8,500円で済みます。

 
 「高校に入りそびれてしまった・中退してしまった」「だけど高卒資格は欲しい。大学・専門学校に進学したい」という不登校経験者は、高認受験を考えてはどうでしょう。イーズでは、受験前の手続きや各種練習、受験勉強の仕方などのサポートを随時行っており、サポートした人のほとんどが合格しています。
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