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ブログ『誤解だらけの不登校対応』

定時制・通信制高校を選ぶときに

 不登校経験者を積極的に受け入れている公立高校があります。東京都ですと現在7校の、いわゆる「チャレンジスクール」があります。同じチャレンジスクールであっても、それぞれ校風が違っているため、近さや通いやすさだけで選ばず、それぞれの校風を掴んでから選ぶことをお勧めします。


  私立の不登校生徒を受け入れる全日制高校や、通学コースのある通信制高校も、全校が不登校に対して同じ認識、というわけではありません。よくあるのは「過去不登校していたことは問わない。しかし、入学したからには・・・」という不登校自体に対する評価はネガティブなまま受け入れる高校です。「今度こそ、高校は不登校せずに通学するんですよね?」のような学校もあれば、「大事なのは高卒資格より、あなたがこの3~4年のうちにやりたいことをどれくらいできるかです。そのために私たちは高卒資格取得を応援します」という学校もあります。一般的な学校選びに付加して、「その学校の不登校に対する認識」についても確認して進学することをお勧めします。


 また、進学率をみるとき、その数字の母数が「卒業学年の進学希望者数」なのか「高校卒業学年の在籍生徒数」なのか「入学したときの生徒総数」なのかで変わってきます。とくに退学者が多い学校の場合、その数が母数に入っていない可能性があります。


 「有名大学に何人合格!」という場合も、「進学実績」ではなく「合格実績」であるところを見ましょう。たとえば「東大・早大2学部・慶大1学部・明大2学部合格」という生徒が1人いた場合、合格実績に6人分が入ります。生徒数500人で有名大学合格実績が100人分あったとして、合格実績は20%でも、進学実績は20%ではありません。1人あたり平均2校に合格していれば10%です。


 また、有名大学の合格に寄与したのは高校というより、主にその生徒が通っていた塾のおかげ、なのかもしれません。もし、有名大学を目指したいなら、通信制高校の場合は高校選びと同時に「塾」を選んだほうがいいかもしれません。

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