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ブログ『誤解だらけの不登校対応』

「相談の誤解」 その2


 相談といいますと、「困ったときにするもの」と考えがちではないでしょうか。しかし、実際に相談を受ける立場からしますと、困ったときほどできることは少ないのです。「ああ、これがもうちょっと前だったらなあ」と思うことが多々あります。


 たしかに、困ったときは相談していいのですが、「困ったとき限定」でなくていいのです。私たちは「コンサルテーション」と呼んでいますが、「ふだん」や「調子が良いとき」こそ、できることは多いものです。「ふだんがより良くなるために」「調子が悪くならないように」「もっと調子よくなるように」という発想で相談を活用することだってできるのです。
 

 教育に関する相談は、今のところ、まるで医療のように、困ってから相談するものというイメージが定着していますが、相談なんて、困っていなくたっていいんです。「もっと得したい」でいいんです。


 いっぽう、心にすっかり余裕がなくなって、考えを変えたくても変えられず、わが子がひどい、憎い、辛い、といった気持ちでいっぱいになったときには、相談する際のちょっとしたコツがあります。「今回は、愚痴を吐き出させてください。アドバイスを受けても実行しようと思える状態ではないので」と先に宣言してしまうことです。


 つまり、相談といっても、「困りごと相談」もあれば「愚痴を吐き出したい相談」もあれば、「コンサルテーション」もある、ということです。ただ、わが子への不満がどんどん積み上がっていくようなことは、お気をつけください。それは、内緒にしているつもりでも、いずれその子にバレてしまうので。


 さいごに「伴走型」と呼ばれる支援や相談がありますが、同じように長距離走にたとえてみるとすれば、私たちは「給水所型」です。ところどころ補給するような形でご利用いただいています。
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