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ブログ『誤解だらけの不登校対応』

通信制高校の進学で重視すべきこと


 不登校が増えている理由として考えられるものはいくつかありますが、注目すべきは「単位取得の条件がユルい私立や株式会社立の通信制高校」です。全日制に比べて多くの生徒を受け入れることができるため、ほとんどの学校で選抜の必要がありません。「ほぼ全入」です。

 中学の出席日数や内申点がゼロでも学力試験なしで入学できる通信制高校はたくさんあります(当会の提携先である通信制高校もそうです)。「小中学校に行かなくても高校に進学できる」「少ない出席日数で卒業できる」という事実は、多くの不登校児童生徒の保護者にとって安心材料となっていることでしょう。

 しかし、不登校の背景に「過剰な対人・対社会不安」などがありますと、「スクーリングに参加できない」「高校卒業後に就学就労できず立ち尽くしてしまう」といったことが起きることが珍しくありません。また、大学や専門学校を卒業したり、就労したとしても、挫折を感じて辞めてしまい、再びひきこもってしまう可能性もあります。

 したがって、ひきこもり型不登校で重視すべきは、単位取得や卒業資格よりも、不登校の背景となった以下のようなことではないでしょうか。

「過剰な対人・対社会不安があって踏み出せない」
「過緊張で心身が持たず続かない」
「完璧主義や白黒思考でうまくいかないことがあると激しく落ち込む」
「楽しいことや興味があること以外がすべて苦痛で続かない」
「辛いことを何度も思い出してしまい、意欲が続かない」
「自己否定が強く、すぐ傷ついて諦めてしまう」など

 むしろ、上記のようなことを緩和するために通信制高校を使う、という発想が大切です。
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