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ブログ『誤解だらけの不登校対応』

「見守り」の誤解


 不登校・ひきこもりの書籍やイベントによく出てくる「見守り」。体験者がイベントで「周囲の大人たちが見守り、待ち続けたくれたので、今はこんなに自立した大人になりました」といった「不登校からの回復ストーリー」を話してくれることがありますが、そんな場面でよく登場するキーワードが「見守り」です。

しかし、「見守り」が他の不登校の親子にとっても有効とは限りません。不登校サポートの現場では、しばしば「親が口を出さない」「現状維持」「特に何もしない」「ひたすら待つ」のような意味で「見守り」が使われています。

 見守りは本来「あとは見守っていればいいだけの状態」で初めて成立するものですが、「見守り」が独り歩きした結果、親の必要な関わりまで排除してしまい、「親子の没交渉化」が進んでしまう可能性が出てきました。親の関わりへの過度な反省は、親に自信を喪失させ、「親はできるだけ何もしないほうが子どものためなのだ」と理解させやすいでしょう。それで何が失われるのか?それは、

 「あって良かったはずの関わり」です。

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